会津駒ヶ岳


Mt. Aizukomagatake

天上の楽園と讃えられる稜線、檜枝岐の母なる山

標高2,133メートル。なだらかな稜線に山地湿原を形成する美しい山です。果てしない空と山々を従えた湿原は「天上の楽園」の美称にふさわしい奇跡の景観を形成します。檜枝岐の本村域から入山できる会津駒ヶ岳は、昔から檜枝岐の母なる山として村民から親しまれてきました。裸地化から湿原を護るため、ふるさと応援寄附金を通じて、檜枝岐村では自主的に木道整備を行っています。


急登ながら美しいブナの森を上がる

村内から歩いて入れる滝沢登山口は会津駒ヶ岳のメインとなる入山口です。会津駒ヶ岳は隆起に対して浸食による平坦化が追いついていない山のため、稜線こそなだらかですが取り付きからしばらく急登が続きます。一方でこの急登区間はブナの原生林が広がった落葉広葉樹の森でもあります。新緑や紅葉の季節は、息が上がったら頭上を見上げてください。

滝沢登山口。急階段はその後の急登を予兆させます。
登山道はしばらくブナの原生林を上がります。やがてオオシラビソの針葉樹林帯、ハイマツの森林限界を経て山地湿原の稜線に出ます。

駒の小屋と樹林に覆われた頂上

森林限界を越えてしばらくすると駒の小屋が見えてきます。会津駒ヶ岳で唯一の山小屋です。頂上は駒の小屋から20分ほど。天上の楽園のはじまりです。夏になると駒の池付近ではハクサンコザクラの群落が見えます。

手前に会津駒ヶ岳頂上。駒の小屋より奥は富士見林道の稜線。燧ヶ岳に連なります。
木道の整備。湿原の裸地化を防ぐため、檜枝岐村では自主的に募金を募っています。
ハクサンコザクラ。檜枝岐村では南京小桜の名で親しまれ、会津駒ヶ岳の夏を美しく飾ります。

山上の庭園 ——— 中門岳(ちゅうもんだけ)

会津駒ヶ岳から中門岳にかけての稜線は湿原と池塘が点在し、まるで庭園のような様相となります。

日本海側の西側(写真右)は樹林が迫り、東側(写真左)は湿原になっています。これは冬の強い西風で雪だまりが東側につきやすく残雪期が長いためです。
中門岳の終点の池塘。

冬の会津駒ヶ岳はバックカントリーのメッカ

冬季の尾瀬は国道352号線が通行止めになるため閉山しますが、会津駒ヶ岳は村域から入山できるため、バックカントリーコースとして人気があります。難易度は中級向けですが装備を携えて登頂する体力と地形を読む知識が必要です。腕に覚えがあっても初回は登山ガイドのアサインをお勧めします。

会津駒ヶ岳の頂上方面。
もちろん小屋は閉鎖。
会津駒ヶ岳のルート 会津駒ヶ岳のルート
  • 駒の小屋は食事の提供がありません。夕食朝食の食料をご持参ください。
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