檜枝岐でスノーシューハイクのガイドツアーへ行くなら♫
⽇本有数の豪雪地帯、檜枝岐
檜枝岐村は特別豪雪地帯に指定されている、日本でも有数の降雪量を誇る地域です。24時間の降雪量が日本一になることもしばしば。数年に一度は積雪が3mを超えることがあります。
その理由は3つ。1つ目はJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の吹き出し口に檜枝岐が位置しやすいこと。吹き出し口では断続的に積乱雲が発生して大雪になります。2つ目は標高。村の標高は海抜900mから1,000mあって平地より5〜10度低く、平地では雨でも檜枝岐では雪になる期間が長くなります。3つ目は谷地形です。山に囲まれているので晴れても日中に陽の差す時間が少なく冷気が籠もるので雪解けが遅くなります。



⼤⾃然の中でスノーレジャーを満喫
そんな冬の檜枝岐は大自然の中でスノーレジャーが愉しめる貴重な場所です。村域から入山できる会津駒ヶ岳では手つかずの大自然の中を滑走できるため、バックカントリーのファンが多いことで知られています。他にもクロスカントリーやスノートレッキングなど、さまざまなアクティビティが満喫できます。

スノーシューハイクが愉しい!
その中でオススメなのがスノーシューハイクです。
スノーシューとは雪上を歩行するための道具です。普通の靴でふかふかの雪の上に立つと足が沈んでうまく歩けませんが、スノーシューは着地面積が大きくなるので沈みにくくなります。接地面に爪が着いているものが多く、少々の斜面ならぐいぐい登ることが可能。技術も要らないため、海外では子どもから大人まで幅広い方々に人気があります。
檜枝岐のような豪雪地帯では、ふだん歩けないような場所が雪原になることによって踏破できるようになります。また積雪で嵩上げされた上を歩くため、木々の樹上が近くなります。ふだんとは違う視点で冬の自然散策が愉しめるのが魅力です。

❄︎ スノーシューハイクの主なコースと時期 ❄︎
檜枝岐の代表的なスノーシューハイクのコースと、遊べる時期の目安をご紹介しましょう。積雪量は毎年変わるのであくまで目安です。積雪が気になる場合は本サイトのお問合わせや山旅案内所へお電話でお問い合わせください。

ミニ尾瀬公園コース
時期12月下旬~3月下旬
体力★☆☆☆☆(初級)
- 初心者向けのコース
- 初めてスノーシューを履く方にオススメ

会津駒ヶ岳コース
時期1月~4月上旬
体力★★★☆☆(中級)
- 登り下りありのパワフルコース
- ブナの原生林が美しい

御池上⽥代コース
時期ゴールデンウイーク
体力★★☆☆☆(初中級)
- 雪一面の尾瀬の湿原の上を歩くコース

⼤杉岳コース
時期ゴールデンウイーク
体力★★★★☆(中上級)
- 稜線へ出て燧ヶ岳や至仏山が一望できるロングコース
檜枝岐でスノーシューハイクのガイドツアーへ行くなら♫

❄︎ スノーシューハイクの装備 ❄︎
スノーシューとストック。登山向きの金属の爪がたくさんついているものから、軽さ重視のものとさまざまなタイプがあります。檜枝岐村内の宿泊者なら尾瀬檜枝岐温泉スキー場で無料レンタルできます。
※ウェアやブーツはご自分でご用意ください。

山間部スノーシューハイク、すなわち雪山登山には必須の装備「雪山三種の神器」。ビーコン、プローブ(ゾンデ棒)、スコップ。雪崩遭難から救助するために不可欠な道具です。会津駒ヶ岳や大杉岳のコースへ行く際は必須になります。


初⼼者コースで冬の⾃然観察

今回はスノーシューを履くのが初めてという稲葉春奈さん(鹿児島県出身)に、初心者向けのミニ尾瀬公園コースへご参加いただきました。ご案内いただくのは檜枝岐村在住の尾瀬マウンテンガイド浅井理人さんです。
「ミニ尾瀬公園コースなら雪崩などの心配はまずありません」
と浅井さん。とはいえスタート地点の橋の欄干からあふれるような積雪量に気分が高まります。

❄︎ スノーシューハイク参加者のご紹介 ❄︎
モデルの稲葉春奈さん。初めてのスノーシューハイクに大はしゃぎ。「夏の尾瀬を経験して、冬の尾瀬へ来てみると自然の営みのダイナミックさに感動しました」と稲葉さん。改めて尾瀬と檜枝岐村のファンになったそうです。
尾瀬マウンテンガイドの浅井理人さん。埼玉県出身で檜枝岐村在住。オンシーズンの夏はもちろん、ウインターシーズンはバックカントリー、クロスカントリー、スノートレッキングのガイドと大忙し。尾瀬マウンテンガイドでは装備の一式に加えて、ウェアやスノーブーツが無い場合はサイズが合えばお貸しいただけるとのこと。

❄︎ふかふかの雪の上で冬の⾃然をみ〜つけた!❄︎

「夏とまったく違いますね。ここって湿原のお花畑だったところじゃないですか?」と稲葉さん。さっそくスノーシューハイクの醍醐味である“ふだん歩けないところを歩ける”愉しさに気づかれました。夏では「立入禁止」の立て札がある場所を歩くのはなんとも不思議な気分です。
「じっさいの池の岸がここまであります。水面から2〜3メートルは近づかないでくださいね」と浅井さんが注意を促します。雪の下が池、いわゆる雪庇という状態。スノーシューで歩けてしまうことも注意しなければならないようです。

高い枝のナナカマドの実も雪上なら手に届く高さで観察できます。ナナカマドの実は苦みが強く腐敗を防ぐ成分があるため、冬でも食べられずに残っていますが、凍ったり溶けたりを繰り返すうちに成分が抜けて、春が近づくと鳥たちも食べられるようになります。

オオウバユリの枯れ木。東北や北海道の林間など薄暗いところに自生。高さがあるので1mほどの積雪でも実を雪上に出しているので実際は2mぐらいあります。雪が降る前に小さな種を周囲に飛ばして枯れます。背が高いのはより遠くへ種を飛ばすためでしょうか。

雪が斜面を自然に降りてできた雪まくり(スノーロール)。檜枝岐では「いごろ」と呼ばれて、昔は村の子どもの遊びのひとつだったそうです。意外と大きいです。

トチの冬芽。樹脂で覆われてベタベタしています。これは寒さと虫食いを防ぐためだと言われています。初夏に咲く花からは檜枝岐名産のトチ蜜(はちみつ)が採れます。

野ウサギの足跡(左)とその匂いに寄せられてきたキツネの足跡(右)。生命の攻防が見て取れます。

建物の軒下はくれぐれも近づかないように。落雪が危険です。「クルマのボンネットがつぶれるレベル」と浅井さん。森の中を歩く際も樹上の雪には注意を払いましょう。

雪上ほっこりティータイム


スノーシューハイクをひとしきり愉しんだところで、浅井さんが雪原を掘り始めました。
「いすをつくりましょう」
足が置ける程度の深さに掘って休憩、ティータイムです。熱々のハーブティーは、心も体もやすらぎます。
「関東や南の方に住まれている方は、雪を独り占めしている感覚になるそうです」と浅井さん。
同じスノーレジャーでもスキー場では味わえない愉しみが、檜枝岐のスノーシューハイクにはあります。ありのままの自然の雪景色を皆さんにも堪能していただきいものです。
「では穴を埋めて帰りましょう」
浅井さんは少しでもありのまま自然を保つ心遣いを忘れないでほしいとのことでした。

「南国生まれで雪だるまもつくったことのない私ができるだろうかと不安でしたが、やってみたら簡単♪。雪の上のハイキングは足を下ろしていくだけでも愉しかったです。小学生ならスノーシューを履けるとのことなので、ぜひ雪国を知らない子どもたちに体験してもらえたら」と稲葉さん。ご覧のように初スノーシューハイクを全身で味わっていました。

スノーシューハイクのおすすめツアーガイド
尾瀬檜枝岐エリアでスノーシューハイクのガイドツアーを申し込めるリンク先をご紹介します(※外部リンク)。ツアーの詳細はリンク先でご確認ください。